2017 年 32 巻 3 号 p. 409-414
〔目的〕行動科学的手法を用いた介護予防筋力トレーニングプログラムが,高齢者の下肢抗重力筋トレーニング頻度の増加および習慣化に有効であるか否かを検討した.〔対象と方法〕地域在住高齢者11名を対象とした.介入前,介入後,介入後6ヵ月の間で一週間あたりのトレーニング頻度を調査し,変化を比較した.〔結果〕介入後6ヵ月時点で9名がトレーニングを継続していた.トレーニング頻度の中央値は介入前に0回/週であったが,介入後では6回/週,介入後6ヵ月時点では3回/週であった.また,介入前と比べて介入後および介入後6ヵ月時点でのトレーニング頻度の有意な増加が認められた.〔結語〕行動科学的手法を用いることが高齢者の下肢抗重力筋トレーニングの習慣化に有効である可能性が示唆される.