2017 年 32 巻 4 号 p. 487-491
〔目的〕認知症高齢者を対象とした集団レクリエーション介入を実施し,ランダム化比較試験を通じてBPSDの変化を検討した.〔対象と方法〕対象は,介護老人保健施設に入所中の認知症高齢者48名.対象者を無作為に2群へ割り付け,介入群(23名)に対しては1週間に2回の頻度で理学療法士と作業療法士が協働し,集団レクリエーション介入を3ヵ月間実施した.対照群(25名)では,介入群と同じ介入時間となるように同様の頻度と期間にて,介護職員によるレクリエーション介入を実施した.2群間の比較は二元配置分散分析を実施した.〔結果〕BPSDとQOLに関する測定項目で有意な交互作用が確認された.〔結語〕介護老人保健施設に入所中の認知症高齢者に対して集団レクリエーション介入を行えば,BPSDを軽減できる可能性が示唆された.