2017 年 32 巻 4 号 p. 559-562
〔目的〕座位と立位での体幹伸展運動時における腰部脊柱起立筋(以下,LES)と腰部多裂筋(以下,MF)の血液循環動態と筋活動量を検討し,腰痛に対する理学療法効果の筋生理学的根拠となる一知見を得ることである.〔対象と方法〕対象は健常成人男性15名とした.運動課題は座位と立位での体幹伸展運動とした.運動課題時におけるLESとMFの血液循環動態は,異なる体幹伸展角度の間で,ヘモグロビン量(Oxy-Hb,deOxy-Hb,total-Hb)の相対的変化と筋活動量を較した.〔結果〕座位ではLESとMFの,立位ではLESのOxy-Hbが角度を増すごとに増加した.〔結語〕座位と立位での体幹伸展運動は,Oxy-Hbの増加が期待されることから,阻血性腰痛の介入に有効である可能性が示唆される.