理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
足関節底背屈運動が血行動態と自律神経系に与える影響
秋葉 崇小川 明宏寺山 圭一郎土谷 あかり中川 晃一榊原 隆次丸岡 弘
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2017 年 32 巻 5 号 p. 695-699

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抄録

〔目的〕足関節底背屈運動が血行動態と自律神経系に与える影響を検討し,起立性低血圧の対処法としての一助とすること.〔対象と方法〕対象は健常男性8人(年齢28.8 ± 5.3歳)とした.プロトコルは,5分間の安静座位の後,1分間の足関節底背屈運動を行い,再度5分間の安静座位を保持した.その間,循環動態と自律神経の反応を評価した.〔結果〕心拍数,一回拍出量,心拍出量は,安静時の値と比較して,足関節底背屈運動中の値が有意に高値を示した.また,その効果は運動後1分まで持続した.LF/HF,HFなどの自律神経系の反応は,有意な変化が認められなかった.〔結語〕足関節底背屈運動の即時効果が認められ,その効果は1分程度持続した.足関節底背屈運動が,起立直後の血圧低下を回避する方法としての一助となる可能性が示唆された.

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© 2017 by the Society of Physical Therapy Science
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