2019 年 34 巻 1 号 p. 41-45
〔目的〕Alzheimer型認知症者や軽度認知障害者の視覚情報処理障害のバイオマーカーおよびリハビリテーションの評価指標の構築を目指し,刺激頻度の異なる閃光刺激を与えたときの定常状態型視覚誘発電位(SS-VEPs)の特徴を解析し,健常成人の視覚野の応答反応を定量的に解析した.〔対象と方法〕対象は健常成人10名とし,閃光刺激の刺激頻度を10段階(3,6,7,8,9,10,11,12,15,18 Hz)に変化させ,頭皮上14部位よりSS - VEPsを記録した.得られた波形を高速フーリエ解析し,power値を算出した.〔結果〕1 F成分の振幅は刺激頻度10 Hzで最大を示した.〔結語〕健常成人の大脳皮質視覚野の神経活動は閃光刺激による刺激頻度の違いによって異なる反応特性があることがわかった.