2019 年 34 巻 4 号 p. 399-403
〔目的〕靴甲部の固定が高齢者のバランス能力に与える影響を,姿勢安定度評価指標(Index of postural stability:IPS)を用い検討した.〔対象と方法〕地域在住高齢者12名を対象に,重心動揺計上で直立位および前後左右へ身体を最大限傾けた姿勢で各10秒間の足圧中心を測定した.IPSを算出し,ベルクロによる靴甲部の固定本数による条件間で比較検討を行った.〔結果〕IPSに固定条件間で差はなかったが,IPSの構成要素である安定域面積において,固定本数の増加により有意な拡大を認めた.〔結語〕靴甲部の固定はIPSに影響を与えなかったが,安定性限界の拡大に寄与することが示唆された.