2022 年 37 巻 1 号 p. 15-21
〔目的〕臨床実習に際し,学生が抱く思いやその特徴を客観的に把握するため,ポートフォリオ評価(実習に対する自己評価レポート)をデータ化し分析した.〔対象と方法〕対象は理学療法学科3年生28名.臨床実習前後に行った自己評価レポートを計量テキスト分析し,作成した共起ネットワーク図からレポートの特徴を可視化した.〔結果〕実習後において,個々の知識が臨床経験でつながったという気づきがある一方,検査測定の結果と動作分析結果との関連づけが不十分であることや,リスク管理に関心が薄いことがわかった.〔結語〕学生のポートフォリオ評価の通読だけでは見い出せない情報を計量テキスト分析で抽出することができ,その知見を面談や実習指導に利用できる可能性が示唆された.