6 巻 (1991) 4 号 p. 193-199
本研究の目的は、健常者に対して、一側下肢への補高による脚長差とその際のアーチサポートの有無が歩行に及ぼす影響について検討することである。測定は主に大型三次元床反力計を用い、8項目のタスクに関して、歩幅・歩行速度・歩行率・歩行周期の時間因子について比較検討した。結果、補高量が増すに従い補高脚の歩幅は低下し、非補高脚の歩幅はほぼ一定に保たれる傾向がみられたが、それぞれ有意差はなかった。歩行速度、歩行率、歩行周期の時間因子はタスクに関わらずそれぞれの被検者でほぼ一定に保たれていた。アーチサポートの効果は明確には現れなかった。
本研究の結果から、片麻痺に対しては、健脚に補高をすることで、補高脚(健脚)で歩幅を調節して相対的に非補高脚(患脚)の歩幅を増大し、非補高脚(患脚)の振り出しが容易になることが示唆された。