抄録
不安定型糖尿病に分類されるIDDM患者に対して、40%VO2maxの運動強度による運動療法を実施した。運動療法開始前と開始後3週以降の成績を比較した結果、空腹時血糖値の低下,インスリン需要量の低下を認めた(p<.05)。また、運動後の補食との組合せにより空腹時血糖値の日内変動幅の減少を認めた(p<.05)。朝食前の空腹時血糖値は、運動療法開始後、経時的に低下する傾向がみられた。
これらの結果は、(1)末梢組織のインスリン感受性の増大というトレーニング効果をもたらしたこと (2)運動療法開始から数週後に遅延性低血糖が出現する危険があること (3)低血糖出現を予測制御する継続した管理体制が必要であることを示している。