1998 年 13 巻 1 号 p. 3-6
脳血管性痴呆患者20例に対して,皮質覚醒(cortical arousa1)や行動覚醒(behavioral arousal)をひきおこすことが確かめられている足底叩打刺激(sole tapping stimulation)を刺激器具を使って毎日2回,15分間刺激を行った。その結果,2ヵ月後に,改訂長谷川式簡易痴呆スケールでの知能機能の改善,FIMでのADL改善,精神症候重症度評価表での精神症状の改善がそれぞれ統計的に有意にみられた。脳血管性痴呆患者の機能回復のための治療に簡便で好き嫌いなく受け入れられる方法として有用と考えられる。