1999 年 14 巻 3 号 p. 143-149
急性心筋梗塞の心臓リハビリテーションにおいては,長期臥床による弊害と運動療法の効果が認識され,早期リハビリテーションの重要性が浸透してきた。しかし,老年者では発症前ADLが低い,合併症が多い等の理由から従来の運動耐容能の向上を目的とした心臓リハビリテーションプログラムが適さないことが多い。我々医療従事者は老年者の特徴を踏まえ,家庭復帰のためのADL獲得という個人の能力に合わせた目標を設定し,心合併症と基礎疾患両方のリスク管理下で個別に対応する必要がある。