理学療法科学
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高齢者の糖尿病―もともと高齢者には糖尿病が多い―
木村 朗
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1999 年 14 巻 3 号 p. 151-157

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抄録

1.糖尿病の有病率は50歳代をピークとして高くなる。
2.空腹時血糖値≥=126mg/dlまたは75g糖負荷試験2時間値≥=200mg/dl,あるいは随時血糖値≥=200mg/dlという糖尿病の診断基準が1999年に新しく示された。高齢者でも同様の基準を用いる。
3.高齢者の糖尿病における問題点の一つは,一般の糖尿病患者に比べ臨床症状が乏しいことである。また,発症時期によって2つのケースに分けることができる。これらを考慮した解決方法が求められる。その一つは,運動療法における強度設定と身体活動量の設定,頻度の決定である。それらの項目を軸とした構成に保健行動を加えた保健情報行動理論の形成も求められる。
4.生活行動を評価する指標の一つとして新しく開発した身体活動量測定法を用いて調べた研究結果によると,2000kca1を境とした身体活動量が運動療法の効果に明らかな影響を与えることが分かった。

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