2000 年 15 巻 2 号 p. 37-39
脳卒中片麻痺患者の歩行自立度において,簡便で定量的な指標として,歩行時間の変動係数(CV)および片脚立位保持時間が,監視の必要性の有無を判断するための有効な基準となりうるか検討した。歩行に監視を要する監視群,自立歩行群の2群間で比較検討した結果,CV,麻痺側での片脚立位時間ともに2群間で有意な差が認められた。一方,監視群においても自立群と近似したCVを示す症例も多く存在したが,それらにおいても,麻痺側での片脚立位保持能力は自立群と比較し明らかに低かった。その結果,CVの値のみでなく片脚立位保持時間を参考にすることで,歩行自立度の判断は信頼性が高まることが示唆された。