陸水学雑誌
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特集:外来淡水産底生無脊椎動物の現状と課題
本邦におけるコモチカワツボの現状と課題
浦部 美佐子
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2007 年 68 巻 3 号 p. 491-496

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抄録

 ニュージーランド原産の小型巻貝コモチカワツボは,2007年11月現在,北海道・本州・九州の1道1府13県から記録されている。本種が在来生物に与える影響は明らかになっていないが,その増殖力のため,今後も注意深いモニタリングが必要であろう。本種は主として養殖魚類・貝類・水草等の移動に随伴して分散すると推定されるが,ゲンジボタルの餌として意図的に放流される可能性もある。また,人に付着するなどの偶発的分散もすでに起こっていると推定され,長靴等の器具を本種の侵入域で使用した後には乾燥・凍結・熱湯や薬剤による処理を行い,器具からコモチカワツボを完全に除去することが推奨される。

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© 2007 日本陸水学会
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