多摩川の源流を含む上流域のカイアシ類相を調べた。採集されたカイアシ類はケンミジンコ7種,ソコミジンコ10種であった。ケンミジンコMacrocyclops monticolaが東京から初めて記録された。Eucyclops serrulatusが標高450―1,460mの急峻な山合いの水体から多数採集された。Eucyclops speratusは標高290mの川から採集された。ソコミジンコのCanthocamptus prominulusは雌の尾叉の正常型,phyllophora型,雄のそれと同形のものの3型,雄の正常型と内側面に微棘群のあるものの2型のいずれもが出現し,それぞれの型の出現割合は支流によって顕著に異なっていた。