陸水学雑誌
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浅い湖沼におけるマツモの成長と殖芽の形成
福原 晴夫田中 貴子和泉 みゆき
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1997 年 58 巻 4 号 p. 335-347

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抄録

浅く,比較的冨栄養化した砂丘湖の二つである佐潟(新潟市,37゜49'N,138゜53/E)において,マツモの成長と殖芽の形成率を調べた。春に採集したシュートのうち90%は殖芽から由来した。主軸の活発な成長は,6月から7月の下旬にかけて認められ,その成長率は0,98cmday-1であった。また,全シュート長(主軸+側枝)では5.21cmday-1であった。最盛期における平均主軸長は8月初旬に67cm,平均側枝長は7月下旬に213cmであった。8月下旬にはシュートの分断が起こり,切れ藻の状態となって成長を続けた。11月初旬には,少数の側枝を有した主軸長約3cmとなり,12月には殖芽のみが採集出来た。
主軸及び側枝の先端部での殖芽の形成は10月から認められた。野外での殖芽の形成率は主軸55%,側枝10%で平均約20%であった。乾燥重量1g当たりに形成された殖芽は35.7個であった。マッモの現存量は,他の水域でも報告されているように年変動が著しく,これには特に成長開始時期の水温が重要であると推定された。茎の分断とその先端部での殖芽の形成は,本種が分布を広げる上で重要な手段となっていると考えられる。

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