陸水学雑誌
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汽水湖尾駮沼における植物プランクトンの出現特性
植田 真司近藤 邦男築地 由貴清家 泰三田村 緒佐武
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2004 年 65 巻 1 号 p. 27-35

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抄録

青森県下北半島の上北湖沼群の最北部に位置する汽水湖尾駮沼における植物プランクトンの種構成と現存量の時間的変動,さらに植物プランクトンの出現と水温および塩分との関連を2001年4月から2003年3月に至る期間,湖沼奥部と湖心部の2地点において調査した。その結果,湖沼奥部および湖心部における植物プランクトンの平均出現細胞密度は,それぞれ4.3×106および5.4×106cells L-1であり,地点間に大きな差は認められなかった。出現が確認された植物プランクトンは全97種であり,その中で細胞密度および出現頻度が高かった種は,珪藻類のSkeletonema costatum, Cyclotella spp., Melosira juergensii, Nitzschia pungens, Chaetoceros sp.および渦鞭毛藻類のProrocentrum minimumであった。尾駮沼における植物プランクトン出現種の大部分は,塩分5~30 psuおよび水温15℃以下の範囲に至適条件を有する植物プランクトンが優占種になっていることが明らかとなった。

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