陸水学雑誌
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十和田湖に於けるスヂヱビLeander paucidcns (de Haan)の生態学的研究
松井 魁和井内 貞一郎
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1937 年 7 巻 1 号 p. 31-44

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抄録

1. スデヱビは湖岸至る所に廣く分布し.底質及び水生植物の繁茂の有無と分布との關係は顯著でない。
2. 夏期に於ける深度と分布との關係に就いては,水深25m迄は比較的多數棲息し,特に15m以淺は最多數を示し,30m以深は激減す。本湖の水温躍暦は10~15mである點から,蝦は水温.10℃以上に好んで棲息するものの如くである。蝦の漁場は30m以淺である。
3. 雄蝦は雌蝦より軆小形で,雌蝦の生物學的最小鱧長は3.78cmを示し,體長4.5cm以上のものは殆ど全部雌蝦である。
4. 深度の相違に依つて性比を異にし,5m以淺に於ける雌蝦100尾に對する雄蝦の百分率は6%に過ぎないが,水深24~52mに於ては71.06%を占め,又,雌蝦の抱卵率は淺部94.3%,深部16.7%を示す。
5. 深慶の相違に依る體長の相違を認めたが,この原因ば性比に基くものである。
6. 抱卵數は體長と正比例して増加す。卵の大きさは1.3~1.6mmを示し卵徑は卵の發育に伴つて増加し抱卵數の多寡に關係しない。
7. 夏期蝦筌で漁獲される蝦の大きさは體長1.8~6.3cmで體長4.0~4.2cmが最多である。本蝦は1年で成熟するものの様で,産卵後も生き殘るらしい。

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