日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
Print ISSN : 0386-9776
ISSN-L : 0386-9776
上部胃癌症例の検討
武田 仁良掛川 暉夫衛藤 道生福嶋 博愛橋本 謙荒木 恒敏日野 邦憲田中 政治
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 43 巻 5 号 p. 550-554

詳細
抄録
下部食道噴門癌には下部食道(Ei Ea)やE-G junctionを中心とし噴門部癌,噴門癌,食道胃接合部癌,食道噴門接合部癌,食道胃境界部癌と呼称される癌のほかC領域の癌が含まれるが胃を中心として進行したCおよびCE癌が最も多い.今回はCM CMEなどM領域にかかるものおよび扁平上皮癌を除いたEC E=C CE C症例を上部胃癌とし,胸骨縦切開法も含めてその開胸例より胸腔内リンパ節を中心に検討を加えた.
最近10年間の胃上部癌切除例は123例で,そのうち胸腔内リンパ節郭清を行ったものの胸腔内リンパ節転移陽性率は21.2%で腹腔内リンパ節転移陽性率も高く(1)~(11)など広範に亘りEにおよぶ上部胃癌の根治術では下部食道切除と胃全摘および膵脾合併切除も含めてのリンパ節郭清が進行癌での基本的手術である.
著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top