日本臨床外科医学会雑誌
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大量下血をきたしたと思われる盲腸脂肪腫の1例-本邦23手術症例の検討-
明石 章則飯尾 雅彦吉川 幸伸中村 正廣伊藤 則幸中島 信一杉野 盛規南 俊之介
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キーワード: 大量下血, 盲腸脂肪腫
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1984 年 45 巻 12 号 p. 1626-1631

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抄録
大量下血をきたしたと思われる盲腸脂肪腫を1例経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
症例は下血を主訴として入院し,入院2日目に大量下血を認めた.注腸造影及び大腸内視鏡検査で回盲部の粘膜下腫瘤から一過性に出血したものと考え,回盲部切除術を施行した.切除標本では,盲腸に4.3×1.8cm大の隆起性腫瘤が認められ,組織学的には粘膜下に成熟した脂肪細胞からなる腫瘍であった.
盲腸脂肪腫の本邦23手術症例のうち,大量下血をきたした症例はなく自験例が最初である.手術後2年余りが経過するも,再下血は認められず便潜血は陰性である.
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