日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
Print ISSN : 0386-9776
ISSN-L : 0386-9776
成人輪状膵の2例
坂田 育弘黒岡 一仁丸山 次郎桂 康博安富 正幸
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 46 巻 10 号 p. 1344-1349

詳細
抄録
輪状膵は膵組織が十二指腸下行部を環状にとり囲む胎生期の発生異常である.著者らは成人に発症した輪状膵に対して術前に確定診断を下し,手術を施行した2症例について報告する.
症例1は19歳の女性で上腹部痛,嘔気,嘔吐を主訴として来院した.
症例2は20歳の男性で心窩部痛,背部痛,嘔気,嘔吐を主訴として来院した.
2症例ともに低緊張性十二指腸造影,十二指腸ファイバースコピー, ERCP,腹部CTスキャン等の所見より輪状膵の診断にて手術施行し治癒した.術後,症例1は6年,症例2は4年を経過しているが再発症状は認めていない.さらに,この2例を加えて文献より術前輪状膵の診断のもとに手術を施行した成人輪状膵31例についての集計を報告する.
著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top