日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
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超音波検査で検出された膵嚢胞の4治験例
稲吉 厚山崎 謙治豊永 和政平田 稔彦池田 恒紀山辺 博外村 政憲服部 正裕
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キーワード: 膵嚢胞, 超音波検査
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1986 年 47 巻 1 号 p. 105-109

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抄録
われわれは,最近の3年間に超音波検査で検出できた膵嚢胞症例4例に対し,手術を施行し治癒させることができたので報告する. 1例は膵真性嚢胞で, 3例は膵仮性嚢胞である.膵仮性嚢胞3例中1例は石灰化膵嚢胞であり, 1例は膵仮性嚢胞内出血例であった.超音波検査において4例とも腫瘤像を検出し,石灰化膵嚢胞の1例は,腫瘤前面のstrong echoと後方のacoustic shadowとして検出され,残り3例は,膵と連続した低エコー領域として検出された.また,出血性膵仮性嚢胞の1例に対し,エコーガイド下穿刺を施行し診断上有用であった.膵仮性嚢胞3例中2例に嚢胞空腸吻合術を施行し,石灰化膵仮性嚢胞例は嚢胞摘出術を施行した.膵真性嚢胞の1例は嚢胞摘出術を施行した.
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