日本臨床外科医学会雑誌
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回腸腸間膜神経線維肉腫の2例
窪田 敬一河合 大郎長谷川 俊二原口 義座斎藤 慶一若林 利重
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1986 年 47 巻 2 号 p. 229-233

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抄録

神経原性腸間膜腫瘍は,非常に稀れでありその報告例は少ない.最近.我々は, 2例の回腸腸間膜神経線維肉腫を経験したので報告する.症例1は, 55歳,男性.発熱,鮮血便腹痛を主訴に入院. CT,腹部超音波検査で,下腹部の充実性,一部嚢状の腫瘍,及び,肝臓の嚢腫が発見された.手術で,腫瘍は,回腸腸間膜より発生したものと確認された.病理診断は,神経線維肉腫であった.症例2は45歳,女性.腹痛を主訴に入院,腹部超音波検査で,卵巣嚢腫が疑われ,手術施行した.腫瘍は回腸腸間膜より発生したものであり,病理診断は,症例1と同様に,神経線維肉腫であった.
自験2例の概略を述べるとともに,本疾患の画像診断を中心として,文献的考察を加えてみた.

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