日本臨床外科医学会雑誌
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DICを来した腹部大動脈瘤の1例
田中 孝一伊藤 勝朗応儀 成二辻本 実岡田 稔原 宏森 透
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キーワード: 腹部大動脈瘤
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1987 年 48 巻 6 号 p. 829-832

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抄録
腹部大動脈瘤々内血栓に起因する両下肢急性動脈閉塞症の1例を経験したが,血栓除去後にDICが臨床的に顕著となった.メシル酸ガベキサート投与が奏功してDICは軽快し,二期的の瘤切除・人工血管置換術が可能となった.瘤内には新鮮凝血塊が大量に認められ,この場で凝固・線溶反応が異常に亢進していたと想定された.
真性大動脈瘤にDICが合併するのは稀であるが,最悪のリスクファクターでもあるので常にその可能性を念頭に置いて対処することが大切である.
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