日本臨床外科医学会雑誌
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誤飲魚骨が消化管を穿通した5症例
武藤 功音羽 剛
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1987 年 48 巻 8 号 p. 1126-1130

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抄録

魚骨片を誤飲する機会は多いと考えられるが,この魚骨片が体外与排泄されず,消化管を穿通したという症例の報告は比較的少ない.
最近,誤飲された魚骨が,消化管を穿通し膿瘍あるいは腫瘤を形成し,手術した5症例を経験した. 1例は食道を穿通し縦隔洞膿瘍を形成し, 1例は直腸壁を穿通し肛門周囲膿瘍を形成,他の3例は結腸を穿通し肉芽腫を形成していた.結腸穿通の1例で放線菌症を認めた.結腸穿通により形成された肉芽腫の場合,悪性腫瘍との鑑別が困難な事があるがCT所見で,肉芽腫の場合,腫瘤陰影の中にひときわ明瞭なhigh densityの直線部分がある事が重要な所見に思われた.全例,切開ドレナージないし腫瘤摘出により完治し再発は認めていない.尚,個々の症例についての症状,診断,治療について若干の文献的検討を加え報告する.

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