日本臨床外科医学会雑誌
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乳腺所属リンパ節に対するCT検査の有用性に関する検討
川上 義弘藤田 昌宏渡辺 一男竜 崇正本田 一郎渡辺 敏坂本 薫篠原 靖志竹内 修
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1989 年 50 巻 4 号 p. 650-657

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抄録

乳腺所属リンパ節に対する術前検査は触診による場合が多く充分とは言えない.特に縮小手術の適応決定においては術前のリンパ節の所見が重要な問題となる.本稿では腋窩領域のCT (AX. CT)を詳細に検討することにより,即ち患側部の乳房および所属リンパ節領域のCT (3mm幅)を撮影,これをもとにリンパ節マップを作製し,摘出標本と対比検討することにより以下の知見を得た.(1) Ax. CTから所属リンパ節は1例につき16.6±3.7個同定しえた.摘出リンパ節(24.4±7.8個)と対比した描出率は68.0%であった(n=21). (2)描出されたリンパ節は脈管走行および腋窩静脈からの距離により,その所属領域を同定しえた.(3)径3mm以上のリンパ節ではその形状・内部構造・リンパ節相互の癒着・Spiculationなどの所見がえられた.(4)以上の所見とCT値から転移リンパ節を推定しえた.

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