抄録
乳癌術後の胸壁放射線潰瘍に対して,種々の切除再建法を試みた.対象は7例で,手術時には全例,感染による難治性の潰瘍あるいは瘻孔を伴っていた.再建方法は切除が小範囲であれば局所皮弁,皮膚切除が広範におよぶものには有茎大網移植,胸壁切除に対しては腹直筋皮弁を用いた.術後全例にquality of lifeの改善がみられた.しかし,合併症として感染と瘻孔形成がかなりの頻度に出現した.
放射線潰瘍は感染を合併すると難治性となりやすく,また急激に進行する場合もある.したがって,可能であれば可及的早期の外科的治療が望まれた.その際,感染合併例に対する人工物の使用は慎重を要し,たとえ広範囲の胸壁切除を伴っても,筋皮弁のみで再建可能と考えられた.