日本臨床外科医学会雑誌
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急性経過をとった腸間膜脂肪織炎(Mesenteric panniculitis)の1例
高橋 厚別所 隆大西 英胤篠原 央近藤 喬栗原 博明小野口 勝久関 泰飯尾 宏古川 俊治飛田 浩輔向井 美和子
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1991 年 52 巻 3 号 p. 592-597

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抄録

最近われわれは急性の経過をとった腸間膜脂肪織炎の1例を経験した.症例は23歳女性で腹痛と発熱を主訴に来院した.腹部CTにて腸間膜の炎症性疾患が疑われたが,症状増悪するために開腹手術が行われた.開腹所見は小腸間膜の炎症性肥厚を認め肉眼的に腸間膜脂肪織炎と診断した.腸間膜の生検より組織学的にも腸間膜脂肪織炎と診断された.この症例は抗生剤と非ステロイド性消炎鎮痛剤投与のみで症状軽快した.
腸間膜脂肪織炎は腸間膜の非特異性炎症性疾患であり多くは慢性に経過する.検索し得た本邦報告例35例を集計し文献的考察を加え報告する.

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