日本臨床外科医学会雑誌
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腎性続発性上皮小体機能亢進症に対する上皮小体摘出術-術前カルシウム負荷試験と組織像からみた手術適応について-
内田 久則杉本 久之西村 洋治福島 司郎西連寺 隆之銘形 和彦市川 直哉冨川 伸二長尾 桓松井 健刑部 東治柿田 章
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1993 年 54 巻 10 号 p. 2477-2485

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抄録
術前のカルシウム負荷試験が手術適応決定に有用か否かを検討する目的で,上皮小体摘出術を行った50例の腎性上皮小体機能亢進症につき分析を行った.摘出上皮小体の重量は43例が1グラム以上 (3.87±0.42SEgram), 7例が1グラム以下 (0.81±0.05SEgram) であった.組織学的には, 1グラム以上の重量の第1群は有意にnodular hyperplasia像を示し,第2群はdiffuse hyperplasia像であった (p<0.05). 術前にカルシウム負荷試験では,第1群が負荷後1時間でinteact-PTH値は前値の55±5.6%までの低下にとどまったのに対して,第2群では33±4.9%まで低下し,この差は有意であった (p<0.01). 組織学的にnodular hyperplasiaで重量が1グラム以上の例を手術適応と考え, diffuse hyperplasiaで重量が1グラム以下の例を保存的治療の適応と考えれば,術前のカルシウム負荷試験は両群の鑑別に役立つと結論しうる.
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