日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
Print ISSN : 0386-9776
ISSN-L : 0386-9776
乳癌の眼転移2例
緒方 晴樹福田 護羽地 桂作大塚 恒博有村 俊寛清藤 啓之片山 憲恃太根 節直遠藤 賢
著者情報
キーワード: 乳癌, 眼転移, 眼窩転移
ジャーナル フリー

1994 年 55 巻 3 号 p. 579-584

詳細
抄録

乳癌の眼転移は稀で,ほとんどが眼球脈絡膜転移であり,ついで眼窩転移が多い.本邦での眼窩転移の報告例は自験例を含め9例と少ない.今回乳癌の眼窩転移1例を含む眼転移症例2例を経験した.症例1は63歳女性,右乳癌 (T2N1bM0, Stage II) にて定型的乳房切除術施行.術後3年で右眼球突出 (19mm) と流涙出現し眼科入院,乳癌の眼窩転移と診断,放射線治療を電子線10MeV/週,総線量52Gy施行.放治後眼球突出,流涙は消失し視力障害も認めなかった.眼転移発症後14ヵ月で肝,骨転移の進行にて死亡した.症例2は40歳女性,両側進行性乳癌 (T4N3M1,Stage IV) にて両側単純乳房切除術および両側卵巣摘出術施行. 1年後皮膚,肝,骨転移にて当科入院.術後14ヵ月で右眼瞼腫脹認め眼球転移と診断,対症療法を施行したが,眼転移後4カ月で死亡した.乳癌症例に眼球突出等の眼症状を認めたら,眼転移を疑い早期に治療し,機能温存をはかることが重要である.

著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top