日本臨床外科医学会雑誌
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女性の閉塞性動脈硬化症手術例の検討-腹部大動脈・腸骨動脈領域-
山根 正隆中川 準平塩田 邦彦多胡 護平井 俊一鈴鹿 伊智雄
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1997 年 58 巻 12 号 p. 2798-2801

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抄録

1986年1月から1996年3月までに当院で経験した腹部大動脈,腸骨動脈領域閉塞病変に対する初回手術症例は86例で,このうち女性の症例は13例あり,全体の16.3%であった.これらの群(I群)と男性73例をII群として, 2群に分けて,年齢分布,術前合併症,術前検査成績,手術術式,術後合併症について検討した.
手術時年齢は男性は61~70歳が多かったが,女性群は71歳以上が最も多かった.術前合併症は高血圧,糖尿病,脳梗塞に差がみられなかったが,虚血性心疾患の合併は女性に多かった.手術術式は男性群に比べて,女性群に非解剖学的バイパス手術の症例が多く,虚血性心疾患に対する合併手術も女性に多かった.術後合併症は女性に多く,手術死亡例は男性,女性各群にそれぞれ1例ずつあった.

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