日本臨床外科医学会雑誌
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乳腺アポクリン癌の1例
神谷 紀之土井 卓子山崎 安信細井 英雄山口 孝治中島 進小松 孝義岩田 誠一郎西山 潔赤羽 久昌
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キーワード: 乳癌, 乳腺アポクリン癌
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1997 年 58 巻 3 号 p. 567-573

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抄録

術前に穿刺吸引細胞診で乳腺アポクリン癌と診断し得た1例を経験したので報告する.
症例は63歳女性.左乳房痛と腫瘤を主訴に当科を受診した. MMG, 超音波検査および穿刺吸引細胞診で乳腺アポクリン癌が強く疑われた.非定形乳房切除術を行い,左乳癌t1n1αM0, stage Iと診断した.病理組織所見では,腫瘍は細胞質が豊富で好酸性顆粒を有するエオジン好性の腫瘍細胞からなる浸潤性乳管癌で,乳腺アポクリン癌と診断した.
乳腺アポクリン癌は乳癌取扱い規約の中で浸潤型,特殊型に含まれているまれな疾患で,本邦では自験例を含め過去14年間に121例の報告があった.報告例のうち今回われわれは110例を集計できたので文献的考察を加え報告する.

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