日本臨床外科学会雑誌
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術前に診断した肝単包虫症の1例
鈴木 秀昭安井 章裕重田 英隆
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キーワード: 肝単包虫症
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1998 年 59 巻 2 号 p. 463-467

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抄録

肝単包虫症はこれまで本邦では非常に稀な疾患であった.しかし,近年の汚染地域からの移住者の増加により,本邦での増加が予想される.今回,術前に診断しえた肝単包虫症の1例を報告する.症例は28歳,ネパール人,男性.腹部不快感を主訴に入院した.その2カ月前まで,ネパールに在住していた.入院時,上腹部に8×12cmの腫瘤を触知し,軽度の好酸球増加と胆道系酵素の上昇を認めた.腹部USと腹部CTで,肝左葉に薄い中隔を有する多房性の嚢胞2個と,内側区域から右葉前下区域にかけて単房性の嚢胞を1個認めた. MRI, T2強調像で,各嚢胞の周辺に境界明瞭な低信号帯を認めた.これらの所見と居住歴から,肝単包虫症と診断し,血清学的検査で確認した.拡大肝左葉切除を行った.嚢胞吸引液中にEchinococcus granulosusの原頭節を認めた.

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