日本臨床外科学会雑誌
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肝細胞腺腫の1例
倉立 真志村澤 正甫倉橋 三穂三好 康敬岩坂 尚仁増田 和彦松本 隆裕井口 博善四宮 禎雄
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キーワード: 肝細胞腺腫, 肝良性腫瘍
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1998 年 59 巻 2 号 p. 482-486

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抄録

6年間経過観察し切除した肝細胞腺腫(本症)の1例を経験した.症例は75歳,男性.1990年悪性リンパ腫に罹患, CHOP5クール施行し寛解した.その時の腹部CT検査で肝S6に2cmの低吸収な腫瘤陰影を認めた.
HCCを疑い針生検を行うも確診できず,定期的に腹部CT,超音波, MRI検査で経過観察していた.腫瘤は1996年の画像診断で5cmと増大し,針生検で悪性も否定できず, 2月20日腫瘤を含むS6部分切除を行った.摘出腫瘤は被膜を有し,割面は分葉し,黄褐色一部緑色で中心性瘢痕は認めなかった.組織所見は,肝細胞類似の索状配列を示す異型の乏しい淡明な腫瘍細胞の増殖像を呈し,非腫瘍部は正常肝であり,本症と診断された.
本症はFNH,高分化HCCとの鑑別が問題となる,本邦では比較的稀な肝良性腫瘍であり,若干の文献的考察を加え報告する.

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