日本臨床外科学会雑誌
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毛巣洞症例の検討
森崎 善久佐野 晋司古家 隆司中村 栄秀藤野 啓一石川 雅久
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キーワード: 毛巣洞
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1998 年 59 巻 5 号 p. 1250-1253

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抄録

過去18年間に経験した毛巣洞症例30例を臨床的に検討した.年齢は18歳から37歳,平均23.8±5.1歳で,男性29例,女性1例であった.男性29例は全て陸上自衛官であった.発生部位は全例が仙骨尾部であった.術前診断は28例はPilonidal Sinusであったが, 2例は痔痩と感染性粉瘤であった.初発症状は圧痛を伴う腫張が13例と最も多く,続いて腫瘤が10例,痔痛のみが4例および排膿が3例であった.病悩期間は3日から180カ月,平均13.8カ月であった.治療法は28例に対して広範切除と一次縫合を行い,残る2例は切開排膿のみであった.切除術を施行した28例中14例に創の〓開が生じ,うち2例は術後30日以上の入院を要した.よって,症例によっては縫合法の工夫が必要と考えられた.

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