Free airを契機に発見した腸管嚢胞様気腫症(pneumatosis cystoides intestinalis;以下, PCIと略記)の2例を経験した.症例1は73歳女性で右下腹部痛を主訴に受診.胸腹部単純X線検査上横隔膜下に中等量のfree airがあり手術施行.盲腸,脾結腸曲,下行結腸, S状結腸に気腫性変化があり,明らかな腸管穿孔は認めなかったが,盲腸は特に変化が強く,穿孔の危険回避の目的で回盲部切除術を行った.症例2は73歳女性.パーキンソン病にて通院中胸部痛あり,胸部単純X線検査にて,横隔膜下にfree airを認めた.腹部CTにて結腸壁に嚢胞が存在し, PCIと診断.高濃度酸素を投与したところ保存的に軽快した. Free airがあっても腹膜刺激症状に乏しい場合は本疾患を考慮に入れてCT検査を行い,診断がつけば最初に高濃度酸素療法を選択すべきと考える.