日本臨床外科学会雑誌
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肝管胆嚢十二指腸瘻を伴った胆石症の1例
西山 宗一郎横山 成邦島田 友幸寺島 秀夫中島 芳道平山 克
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1999 年 60 巻 12 号 p. 3246-3250

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抄録

胆石症で肝管胆嚢十二指腸瘻をきたした稀な1例を経験したので報告する.症例は61歳女性.主訴は右季肋部痛. 3年前から近医で胆嚢結石を指摘されていたが,症状なく放置していた.最近になり時々右季肋部痛を自覚するようになったため当院を受診した.検査成績では肝機能障害を認めなかったが,超音波検査で胆嚢結石と肝内胆管の拡張を認めた. ERCでは三管合流部を含め,肝臓側の胆管が描出されなかった. PTCでは肝管が肝門部で途絶し十二指腸への瘻孔の形成を認めた.内視鏡検査では瘻孔が十二指腸の下行部口側に開口しているのを確認した.胆嚢結石症による肝管胆嚢十二指腸瘻の診断で1997年6月9日に胆摘胆管切除兼十二指腸瘻孔部縫合閉鎖術を行った.

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