日本臨床外科学会雑誌
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乳腺血管肉腫の1例
植木 匡杉本 不二雄石塚 大
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キーワード: 乳腺, 血管肉腫
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2000 年 61 巻 12 号 p. 3206-3209

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抄録

今回われわれは照射既往のない乳腺血管肉腫の1例を経験したので報告する.症例は19歳の女性で,左乳房A領域に有痛性腫瘤を触知し平成10年1月に当科初診した.触診では表面平滑で弾性軟の腫瘤であった.超音波検査所見では1.32cm×0.68cmの内部均一で低エコーな腫瘤であった.腫瘍切除術を施行したところ,腫瘍は嚢胞で切除時に穿破し内容液は褐色漿液性であった.周囲の褐色部を含め嚢胞膜を病理検査に提出し,直径約5mmの乳腺血管肉腫の診断を得た.そのため,腋窩リンパ節郭清を伴わない乳房部分切除術を追加した.腫瘍切除後2年6カ月経っが再発は認めない.本邦での3cm以下の乳腺血管肉腫は本症例を含め8例と少なく若干の文献的考察を加え報告する.

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