61 巻 (2000) 12 号 p. 3271-3275
症例は73歳,女性.腹部膨満感,嘔吐出現し当院受診.上部内視鏡検査および大腸内視鏡検査上異常所見なく,経管小腸造影検査にて小腸に狭窄を伴う腫瘍を認め,その後イレウスを併発し入院となる.入院後,小腸部分切除術を施行した. Treitz靱帯より肛門側100cmの部位に全周性,狭窄状の主腫瘍を認め3カ所に壁内転移がみられた.組織学的には漿膜下層まで浸潤する未分化な腫瘍で,免疫組織化学的検索で,神経内分泌細胞分化が確認され,神経内分泌細胞分化を伴った小腸原発の未分化癌と診断された.術後3カ月で再びイレウスにて入院.小腸壁内転移疑いおよび腹膜播腫,大動脈リンパ節転移,癌性腹水を認め胃空腸吻合,胃ろう造設術を施行した.その後,癌の急速な進展により発症より6カ月で死の転機をとった非常にまれな小腸未分化癌の1例であった.