日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
進行・再発乳癌に対する経口化学内分泌療法(DMpC療法)の検討
今村 秀安蘓 正和加藤 秀典三井 信介坂田 久信
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 61 巻 3 号 p. 599-604

詳細
抄録

原発進行・再発乳癌に対して, Doxifluridine (5'-DFUR), Medroxyprogesterone acetate (MPA), Cyclophosphamide (CPA) の三者併用療法(DMpC療法)を行い,その抗腫瘍効果を検討した.進行・再発乳癌12例中, CRは2例, PRは6例あり,奏効率66.7%であった.再発乳癌症例だけでも, CR 2例, PR 4例で同じく奏効率66.7%であった.転移部位別効果は,軟部組織で奏効率75%,骨で奏効率62.5%,肺で奏効率75%といずれも高かった.術前治療でも腫瘍縮小効果があった.副作用は白血球減少が25%にあり,容易にコントロールできた. DMpC療法の奏効率はCAF療法に比べても遜色がなかった. DMpC療法は副作用の少ない化学内分泌療法にも関わらず,高い抗腫瘍効果を持つ優れた進行・再発乳癌治療法である.

著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top