61 巻 (2000) 8 号 p. 1979-1983
1988年から1998年4月までに当科で切除した胆嚢癌52例を臨床病理学的に検討し,そのリンパ節転移度から至適郭清範囲を検討した. m, mp症例は全例n0であり,胆嚢摘除術+D0-1で累積生存率100%と予後良好であった. ss以上32例におけるリンパ節転移陰性15例の累積生存率は73.1%で,陽性例の16.2%に比し有意に予後良好であった(p=0.0001).さらにss以上例をリンパ節転移度別に検討して見るとn0, n1症例の累積生存率は73.1%と予後良好でbinf0, hinf0であれば全層胆摘+D2で十分と考えられたがbinf, hinf陽性例の予後は不良で拡大手術が必要と考えられた. n2症例の累積生存率は20.8%と不良であったが,無再発生存例が2例あり,いずれもPpPD(PD)併施例で深達度ss, binf1以下, hinf2以下の症例であった. n3, n4症例は予後不良であった.現在当科ではn2(+)のss, se胆嚢癌においてhinf1-2, binf0-1であれば肝切除+PpPD(PD)+D3の良い適応と考え,胆嚢癌治療を行っている.