日本臨床外科学会雑誌
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破裂と多発穿孔が併存した胃癌の1例
橋本 瑞生秋田 幸彦北川 喜己伊藤 直人佐々木 英二芥川 篤史佐藤 太一郎
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キーワード: 胃破裂, 胃癌穿孔
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2001 年 62 巻 3 号 p. 670-673

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抄録

胃癌の破裂を生じ, 2つの胃癌穿孔も併発していた珍しい症例を経験したので報告する.症例は69歳男性.激しい心窩部痛で来院.消化管穿孔,汎発性腹膜炎の診断で緊急手術施行.胃角部前壁が胃短軸方向に大きく裂け胃内食物残渣が多量に腹腔内に溢れていた.胃内腔を確認し胃癌潰瘍底の破裂と診断.癌は胃食道接合部まであり胃全摘術施行.噴門から胃角までの小彎を中心とする150×140mmのBorrmann 3型胃癌で癌潰瘍底に長さ60mmの破裂部,体上部小彎前壁寄りに2×2mm, 胃角後壁に5×2mmの胃癌穿孔部を認めた.術後3カ月で退院,術後9カ月,再発にて死亡した.

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