日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
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超音波による腫瘍像描出不能乳癌の検討
永野 耕士青柳 栄一
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63 巻 (2002) 1 号 p. 1-6

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抄録

乳癌の超音波診断は,小腫瘤とか,読影不足によるのでなく,大きくても,腫瘍像描出不能で,存在確認できず,検診では見逃したり,精密検査では確診に至らない例が存在することを理解しておくことは重要である.これがどのような例にあり得るかを,超音波施行された女子乳癌手術症例741例のうち,特に最近使用中のSSD-650CL (75MHZ)になってからの291例から検討した.腫瘍像描出不能例は,組織学的腫瘍径で分けると1.0cm以上19/264例7.2%, 1.0cm未満では5/27例18.5%である.非浸潤癌3/9例33.3%,管内進展型では11/29例37.9%,進展型でない浸潤癌は9/251例3.6%に見られた. T0を除くと,それぞれ0/5 0%, 4/19 21.5%, 6/234 2.6%であった.乳頭腺管癌では18/122 14.8%, 硬癌0/120 0.0%であった.乳頭腺管癌3.0cm以上では12/48 25.0%,特に管内進展型では6/13 46.3%に見られた.管内進展型の癌では,腫瘍径が大きくても,硬結は無論のこと,腫瘤を触知できる程度でも腫瘍像を描出できないことがある(TNM分類は旧TNM分類による).

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