日本臨床外科学会雑誌
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小児・若年者甲状腺癌14例の検討
大久保 澄子田中 克浩野村 長久山本 裕池田 雅彦山本 滋紅林 淳一園尾 博司
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キーワード: 小児, 若年者, 甲状腺分化癌
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2002 年 63 巻 10 号 p. 2358-2361

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抄録

当科で経験した小児・若年者甲状腺癌14例について検討した.男女比1:2.5, 年齢6~19歳だった.主訴は頸部腫瘤が13例と最も多く,術前診断は血中サイログロブリン値測定と穿刺吸引細胞診が比較的診断率が高かった.手術方法は全摘6例,亜全摘7例,葉切除1例で,リンパ節郭清は12例に行った.全例乳頭癌でリンパ節転移陽性は10例(71%)だった.肺転移は3例(21%)に認めたが現在全例生存中である.小児・若年者は早期からリンパ節転移や肺転移をきたしやすいため,正確な術前評価,手術方法の決定,厳重な術後経過観察が必要だと考えた.

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