63 巻 (2002) 11 号 p. 2678-2682
症例は78歳,女性.平成13年3月胸やけを主訴に近医受診, IIc型早期胃癌と診断され当科入院.超音波検査, CT検査上転移所見はなく,脾門部に動脈瘤を認めた. D1+αのリンパ節郭清を伴う胃全摘および脾摘術を施行した.術中,胃体上部前壁漿膜面に灰白色結節認め,幽門輪部に瘢痕様硬結を触れた.切除標本の病理組織診断では体上部後壁IIc病変は高~中分化型管状腺癌で,深達度mの早期胃癌であった.体上部前壁の結節は免疫組織化学染色でCD34(+), vimentin(+)でありuncommitted typeのGISTと診断された.また幽門輪部十二指腸側の硬結は,免疫組織化学的にカルチノイドと診断された.
早期胃癌にGISTおよびカルチノイドを合併した稀な症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.