63 巻 (2002) 12 号 p. 2897-2900
老年期に至るファロー四徴症(TOF)は極めて稀であり,心内修復術を行う際のリスクの評価や姑息術の選択など,小児期とは違った問題点がある.症例は65歳の男性.血液酸素飽和度が80%台で以前より労作時呼吸困難があったが,手術は拒否されてきた.安静時の呼吸困難をきたし,精査の結果,両心室機能は良好で肺動脈の発育もよく,側副血行路の発達も認めず,諸臓器の機能も比較的良好であったため,手術としての心内修復術を選択した.結果,術後経過は順調で,術後2週間で退院した.現在NYHA I度である.高齢者であっても,条件がよいファロー四徴症では安全に心内修復術が可能であると考えられた.