日本臨床外科学会雑誌
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潰瘍性大腸炎に合併した胃癌の1例
石丸 啓中村 利夫丸山 敬二柏原 秀史今野 弘之中村 達
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2002 年 63 巻 12 号 p. 2943-2947

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抄録

症例は45歳,男性. 1991年,潰瘍性大腸炎(UC)と診断され,以後再燃寛解を繰返し,ステロイド療法,リンパ球除去療法などを施行したが改善傾向を認めなかったため, 98年UCに対する外科治療を目的に当科を紹介された.入院後,術前胃内視鏡検査にて胃大彎にtype 3の腫瘍を認め,生検にて低分化腺癌と診断されたため,幽門側胃切除術,大腸亜全摘,回腸瘻造設術を施行し,二期的に回腸嚢肛門管吻合術を施行した.病理学的には,胃癌はM, Gre, 3型, SS, n1, P0, H0, M0, por 2, stage IIIaであった. UCは,粘膜固有層への単球・好中球の浸潤が目立ち全結腸型のUC active stageと診断された.
UCが胃癌を合併した症例の報告は稀であり, UCおよび胃癌に対して同時手術した報告はない. UCの重症度や,胃癌の進行度の違いがあるため,それぞれの症例により治療の選択はさまざまであるが,本症のごとく治療抵抗性を示す難治例では,術後増悪の可能性を考え大腸亜全摘術・幽門側胃切除術の同時施行が安全な術式と考えられた.

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