日本臨床外科学会雑誌
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痔核根治術後に発症したFournier's gangreneの1例
山本 精一泉 良平福島 亘角谷 直孝廣澤 久史
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キーワード: 痔核根治術
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2002 年 63 巻 12 号 p. 2989-2992

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抄録

症例は51歳,男性.肛門痛を主訴に来院.肛門は内痔核が脱出し浮腫,腫脹がみられた.熱発と白血球増加も認めたが,症状緩和目的に痔核根治術を施行した.術後1日目に肛門と周囲皮膚の発赤腫脹がみられ, 3日目には陰嚢の発赤腫大が著明になり,発赤は右鼠径部に広がった.この時点で肛門周囲,陰嚢,右鼠径部を切開排膿しドレーンを留置し, 1日3~4回の洗浄を始め同時に中心静脈栄養管理とした. 4日目には発赤は更に臍下部から対側の左鼠径部にまで広がり陰嚢の皮膚の一部が壊疽に陥った.その後炎症の広がりは拡大せず約2週間でほぼ軽快した.本例では手術がFournier's gangreneの誘因になったと考えられ手術時期について考慮すべきであった.また発症後,十分なドレナージと頻回の洗浄を行うことにより炎症の拡大をくい止めることができ,その結果全身状態の悪化を防ぐことができたと考えられた.

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