日本臨床外科学会雑誌
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脾過誤腫の1例
畑間 昌博仲田 文造高島 勉石川 哲郎若狭 研一平川 弘聖
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キーワード: 脾腫瘍, 過誤腫
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2002 年 63 巻 12 号 p. 3037-3042

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抄録

脾過誤腫の報告は稀である.今回われわれは脾摘術を施行した脾過誤腫の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.症例は59歳,男性.平成7年に腹部超音波検査で脾に1.5cm大の占拠性病変を指摘されたが放置していた.平成13年に左側腹部痛を自覚,腹部CT検査で脾臓下極に辺縁部のみ造影効果のある直径5cm大の低吸収域を示す腫瘤を認めた.腹部超音波検査では高エコー領域として描出された.増大傾向があり良悪性の鑑別が困難なため脾摘術を施行した.腫瘤は5cm大で,組織学的には赤脾髄型の過誤腫であった.左側腹部痛は術後消失した.脾過誤腫は良性疾患であり無症状の場合は治療の必要はないとされているが術前診断特に悪性腫瘍との鑑別が困難である.確定診断は病理組織学的検査によるため無症状でも診断目的を兼ねた手術適応はあるが,脾摘後には免疫能が低下するため脾部分切除などの脾機能温存手術も考慮するべきと考えられた.

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