63 巻 (2002) 4 号 p. 797-806
過去50年間の胃癌手術5,487例につき検討した.進行胃癌切除例中の根治度A, Bにつき, 1971年から1975年と1991年から1995年の両群で20年間の間隔で5生率の年代的比較を行ったところ, 48%と61%で差は有意である.当初,根治度Cが多く5年生存率も低く手術成績の改善を要した上部胃癌, 4型胃癌,若・壮年者胃癌および残胃癌という胃癌4項目の手術例につき,同じく両年代群で比較検討した.上部胃癌,若・壮年者胃癌で, 20年間の間隔でそれぞれ有意の向上を認め, 4型および残胃癌では,ささやかな改善が得られたのみである.これら胃癌の4項目につき近年行った検討より,上部胃癌切除の癌の端から近位断端迄の距離(単にPM)と食道浸潤例での食道切除長(EL)の数値目標を含む上部胃癌手術の縮小と拡大の規準を設定した.また,進行胃癌切除術後の再発形式の検討に基づき,進行胃癌の手術中に行い得る再発防止対策をまとめた.